浄土真宗を知るQ&A

浄土真宗の本尊は阿弥陀如来です。阿弥陀如来の仏像・絵像の他、名号本尊もあります。

阿弥陀とは、無量寿(むりょうじゅ)=無限の命、無量光(むりょうこう)=無限の光の二つの意味があります。

したがって阿弥陀仏は、無限の命と光明を備えた仏様という事になります。

すなわち阿弥陀仏は、はるかに遠い過去から永遠の未来まで人々を救い続けているのです。

阿弥陀様は、仏になる前の法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)の頃、四十八の願をたてられました。

人々が自らの力で成仏出来ない時は、阿弥陀様が救う事を誓願(せいがん)したのです。

阿弥陀様が立っておられるのは、常に私達に呼びかけ、すぐに救いに立ちあがる姿だといえます。これこそ大慈大悲の心です。

どちらも念仏宗であり、本尊・依りどころとする経典も一緒ですが、教義的には違いがあります。

一番大きな違いは、法然上人が念仏為本(ねんぶついほん)を主とするのに対して、親鸞聖人は信心為本(しんじんいほん)の立場に立っている事です。

法然上人の念仏為本とは、数限りない念仏行という事を重視します。親鸞聖人の信心為本とは、すべての人が、仏の本願を聞いて、極楽往生したいと信心をおこした時、往生が決定したと説いています。

『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』『仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)』『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』の三経です。これを『浄土三部経(じょうどさんぶきょう)』といいます。

この中でも最も重視しているのは、『仏説無量寿経』で『大経(だいきょう)』とも言います。
その内容は、法蔵とう出家者が、迷いと苦しみの中にある人々を救おうと決意して四十八の誓願をたて、それを成し遂げて阿弥陀仏に成られた事が説かれています。

親鸞聖人も『教行信証』の中で、この教えこそが「真実の教え」だと言われています。

『仏説観無量寿経』は『観経(かんぎょう)』とも言います。
その内容は、王舎城(おうしゃじょう)の悲劇を背景に、韋提希(いたいけ)夫人がお釈迦様によって浄土に救われる事が説かれています。

『仏説阿弥陀経』は『小経(しょうきょう)』とも言います。
内容は、極楽浄土の素晴らしさが説かれています。この極楽浄土に生まれる為には、一心不乱に阿弥陀仏の名号を称えよと教えています。

『南無阿弥陀仏』は、昔のインドの言葉を音写したものです。
「南無」は帰依・帰命する、信じるという意味であり、「阿弥陀」は、光明(智慧)と命(慈悲)が無限を意味します。「仏」は如来です。

したがって、『南無阿弥陀仏』は「無限の智慧と慈悲を備えた仏を信じよりどころとします」という事になります。

仏教では、様々の仏様がいてそれぞれに仏国土(ぶっこくど)を持っています。
その中で「阿弥陀仏」の仏国土は西の方にあります。

古来、浄土教が盛んだったことから、浄土と言えば、西方極楽浄土、すなわち阿弥陀仏の仏国土を指す考え方が定着しました。

戒名とは五戒、十戒、具足戒(ぐそくかい)などの戒律を保つ事を誓っていただく仏名の事です。しかし、浄土真宗では、阿弥陀如来の絶対的な本願によって救われるとされている為、戒を必要としないのです。

その為、帰敬式(ききょうしき)によって法名をいただく事になっています。法名とは仏弟子になったしるしです。

浄土真宗では、墓相について何も言いません。このような迷信に惑わされないにしたいものです。

同じように墓地を購入する日や、お墓を建てる日、葬儀や法事の日取りについても、吉凶なの深く考える事はありません。

『歎異抄(たんにしょう)』とは、親鸞聖人の語録を集めた書です。作者は唯円(ゆいえん)とされています。

唯円は、親鸞聖人の亡き後、その教えと異なった解釈が出てきた為、親鸞聖人の正しい教えを書きしるしました。

第三章の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」は「悪人正機」として広く知られています。

『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』は親鸞聖人んの主著で、浄土真宗の根本聖典です。この中で、親鸞聖人は、仏の救済の働きを「往相(おうそう)」と「還相(げんそう)」の二面から説いています。

「往相」とは衆生が浄土に往生することをいい、「還相」とは、往生して再びこの世に戻る道程をいいます。

これらはともに阿弥陀仏によって施された力とされています。

妙好人(みょうこうにん)とは、親鸞聖人の教えを実践する在家の篤信者の事で、一般に妙好人と呼んでいます。

妙好とは、無上の最高意味しています。

妙好人は平凡な一介の凡夫であるが、その純粋な信仰心のレベルは極めて高いとされています。

蓮如上人(1415年~1499年)は、教団を飛躍的に発展させました。

その為、真宗中興の祖と呼ばれています。蓮如上人は浄土真宗の教えを優しく説いた「御文章(ごぶんしょう)」を著し教えを広めました。