浄土真宗 今月の法語

浄土真宗

私たちは生涯を通して、たくさんの言葉に出会います。多くの情報の中から、多くの書籍の中から、言葉との出会いは私の人生に光をあて、そこにある言葉が私に迫り、励まされ喜び、時に涙する、悩まされ、考え続けることもあります。 人はひとりの人との出会いから、ひとつの言葉との出会いから生きる意欲を賜っていくのではないでしょうか。

親鸞聖人のご著書の中から、浄土真宗の各派共にご門徒の方々がふれることのできるお言葉を掲載いたしました。 ひと月にひとつの言葉を味わいながら、仏法に身を浸し、言葉につかまれる、親鸞聖人のお言葉を憶念する一年を送っていただきたいと願っています。

2018年(平成30年)法語一覧

表紙
阿弥陀仏は 光明なり 光明は 智慧のかたちなり 『唯信鈔文意』

1月
帰命ともうすは 如来の勅命に したがうこころなり 『尊号真像銘文』

2月
信心のさだまるとき 往生またさだまるなり 『末燈鈔』

3月
本願をききて 疑うこころなきを 聞というなり 『一念多念文意』

4月
回心というは 自力の心を ひるがえし すつるをいうなり 『唯信鈔文意』

5月
かの如来の 本願力を観ずるに 凡愚遇うて 空しく過ぐる者なし 『入出二門偈頌』

6月
自力の 御はからいにては 真実の報土へ 生るべからざるなり 『親鸞聖人血脈文集』

7月
雑毒の善をもってかの浄土に回向する、これ必ず不可なり 『浄土文類聚鈔』

8月
凡夫は すなわち われらなり 『一念多念文意』

9月
まことの信心の人をば 諸仏とひとしと申すなり 『御消息集』善性本

10月
煩は、みをわずらわす 悩は、こころをなやますという 『唯信鈔文意』

11月
聞というは 如来のちかいの御なを 信ずともうすなり 『尊号真像銘文』

12月
自然というは もとよりしからしむという言葉なり 『末燈鈔』

2017年(平成29年)法語一覧

表紙
仏恩ふかくおもいつつ つねに弥陀を念ずべし 『三帖和讃』

1月
無明の闇を破するゆえ 智慧光仏となづけたり 『三帖和讃』

2月
如来すなわち涅槃なり 涅槃を仏性となづけたり 『三帖和讃』

3月
一念慶喜するひとは 往生かならずさだまりぬ 『三帖和讃』

4月
仏の御名をきくひとは ながく不退にかなうなり 『三帖和讃』

5月
大信心は仏性なり 仏性すなわち如来なり 『三帖和讃』

6月
弥陀の回向成就して 往相・還相ふたつなり 『三帖和讃』

7月
功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし 『三帖和讃』

8月
金剛心は菩提心 この心すなわち他力なり 『三帖和讃』

9月
願力無窮にましませば 罪業深重もおもからず 『三帖和讃』

10月
ねてもさめてもへだてなく 南無阿弥陀仏をとなうべし 『三帖和讃』

11月
信心の智慧にいりてこそ 仏恩報ずる身とはなれ 『三帖和讃』

12月
弥陀の回向の御名なれば 功徳は十方にみちたまう 『三帖和讃』

2016年(平成28年)法語一覧

表紙
ひかりといのちきわみなき 阿弥陀(あみだ)ほとけを仰(あお)がなん 『共通勤行・和訳正信偈』

1月
十二のひかり放(はな)ちては あまたの国(くに)を照(てら)します 『共通勤行・和訳正信偈』

2月
生(い)きとしいくるものすべて このみひかりのうちにあり 『共通勤行・和訳正信偈』

3月
信心(しんじん)ひとたびおこりなば 煩悩(なやみ)を断(た)たで涅槃(すくい)あり 『共通勤行・和訳正信偈』

4月
陸路(くがじ)のあゆみ難(かた)けれど 船路(ふなじ)の旅(たび)の易(やす)きかな 『共通勤行・和訳正信偈』

5月
弥陀(みだ)の誓(ちか)いに帰(き)しぬれば 不退(ふたい)のくらい自然(じねん)なり 『共通勤行・和訳正信偈』

6月
ただよくつねにみ名(な)となえ ふかきめぐみにこたえかし 『共通勤行・和訳正信偈』

7月
往(ゆ)くも還(かえ)るも他力(たりき)ぞと ただ信心(しんじん)をすすめけり 『共通勤行・和訳正信偈』

8月
まどえる身(み)にも信(しん)あらば 生死(まよい)のままに涅槃(すくい)あり 『共通勤行・和訳正信偈』

9月
一生悪(いっしょうあく)を造(つく)るとも 弘誓(ぐぜい)に値(あ)いて救(すく)わるる 『共通勤行・和訳正信偈』

10月
まどいの眼(め)には見(み)えねども ほとけはつねに照(てら)します 『共通勤行・和訳正信偈』

11月
さとりの国(くに)にうまるるは ただ信心(しんじん)にきわまりぬ 『共通勤行・和訳正信偈』

12月
世(よ)のもろびとよみなともに このみさとしを信(しん)ずべし 『共通勤行・和訳正信偈』

2015年(平成27年)法語一覧

表紙
智慧(ちえ)・慈悲(じひ)のはたらき そのものが 「仏(ぶつ)」なのです 『坂東性純』

1月
称(とな)えるままが つねに御本願(ごほんがん)の みこころを 聞くことになる 『香樹院徳龍』

2月
拝むとは 拝まれて居た事に 気付き醒めること 『高光大船』

3月
死んで往ける道は そのまま 生きてゆく道です 『東昇』

4月
出会わねばならない ただひとりの人がいる それは私自身 『廣瀬杲』

5月
わしひとりを めあての 本願の ありがたさ 『花岡大学』

6月
ものが 縛るのではありません ものをとらえる心に 縛られるのです 『仲野良俊』

7月
私が 私であってよかった といえる あなたになれ 『中島みどり』

8月
今を生きずに いつを生きる ここを生きずに どこを生きる 『大神信章』

9月
煩悩の嵐の中にも 念仏において 本願の呼び声が 聞えてくる 『正親含英』

10月
世俗の論理の 行き詰まることを 教えるのが仏法 『栗山力精』

11月
如来の本願は 称名念仏(しょうみょうねんぶつ)にあり 『藤元正樹』

12月
生活の中で 念仏するのでなく 念仏の上に 生活がいとなまれる 『和田稠』

2014年(平成26年)法語一覧

表紙
称名とは み名を 聞くことであります 『足利浄圓』

1月
み仏の み名を称ふるわが声は わが声ながら たふとかりけり 『甲斐和里子』

2月
人は 法を求めるに止まって 法に生きることを 忘れている 『高光大船』

3月
帰ってゆくべき世界は 今遇(あ)う光によって 知らされる 『浅井成海』

4月
一切は 縁において生まれ 縁においてあり 縁において去っていく 『宮城顗』

5月
きのう聞くも 今日またきくも ぜひに来いとの およびごえ 『お軽』

6月
深い悲しみ 苦しみを通してのみ 見えてくる世界がある 『平野恵子』

7月
本当の相(すがた)になる これが 仏(ぶつ)の教えの目的である 『暁烏敏』

8月
拝まない者も おがまれている 拝まないときも おがまれている 『東井義雄』

9月
お念仏は 讃嘆(さんだん)であり 懺悔(さんげ)である 『金子大榮』

10月
ただ念仏せよ 念仏せよ 大悲回向(だいひえこう)の 南無阿弥陀仏 『梅原真隆』

11月
衆生に かけられた大悲は 無倦(むけん)である 『廣瀬杲』

12月
永遠の拠(よ)り所(どころ)を 与えてくださるのが 南無阿弥陀仏の 生活である 『坂東性純』

真宗教団連合・今月の法話より