現在の日本のお墓事情

両親が亡くなられたとき、また自身が亡くなったときにどのようなお墓に入るか考えている方はたくさんいらっしゃると思います。いざお墓を探してみると、専門用語が多く、お墓をどう選んでいいのかわからないということもあるでしょう。ここでは、どのような形状のお墓なのか、そしてそのお墓をどう管理していくのか、ということに着目しながらお墓の種類を説明していきます。

継承墓・家墓・累代墓

さまざまな名前で呼ばれることのあるお墓ですが、現在日本で最も一般的とされているお墓です。墓石には「○○家之墓」や「○○家先祖累代之墓」などと刻まれ、墓石の側面には納骨された人の生前の名前、戒名、没年月日などを刻みます。カロートに収蔵できる骨壺の数に限界はありますが、原則としてその家の方で亡くなった方、またそのお墓を継承した方の家族の遺骨はそのお墓に収蔵することになります。形状は通常お墓の基礎となる石やカロートの上に直方体の墓石が乗せられています。お墓を管理するのはそのお墓を引き継いだ継承者、一般的には長男などの家の権利を引き継いだ方がその後の管理などを行っていきます。

個人墓・夫婦墓

どちらもその名称の通り、個人のためもしくは夫婦のために作られたお墓です。お墓のカロートは継承墓などと比較すると小さく作られていることが多く、墓石の表面には「○○之墓」という形で個人の名称が彫られていたり、「○○・○○之墓」という形で夫婦の名前が連名で掘られていたりします。外見的には直方体の形状をしているものが多く、外見を見ただけでは継承墓とは見分けがつかないことがほとんどです。最近ではデザイン墓などと呼ばれる個人の生前の功績や趣味などにちなんだ形状をしたお墓を建てることがあります。そうした一般的ではない形状のお墓は個人墓となっていることがほとんどです。個人墓や夫婦墓であっても、お墓の管理は子どもなどの近親者にその管理が引き継がれます。

共同墓・合葬墓・合祀墓・永代供養墓

これらの名称のお墓は全て個人や家族などではなく、その寺院墓地や霊園の単位で扱われているお墓です。お墓の中はひとつの大きな収蔵スペースとなっていることが多く、そのスペースに一括ですべての遺骨が収蔵されることになります。遺骨が混ざり合ってしまうため、一旦そうしたお墓に収蔵してしまうと遺骨を取り出すことはできません。お墓の外見はさまざまで、大きな供養塔が建っていることや、なにかシンボルとなる樹木などが植えられていることもあります。また、場合によっては林そのものがお墓の役割を果たしていることもあります。こうした共同のお墓の管理は、原則その墓地の管理者である寺院や霊園管理者が行っています。