永代供養と樹木葬の違い
遺骨の管理方法 ~継承者の方が遺骨を管理する場合~
まず断っておきたいのは、「永代供養」と「樹木葬」はそもそも二者択一なものではありません。供養を考える際には遺骨の管理方法と場所のふたつにわけて考える必要性があります。遺骨の管理方法には大きく分けて3種類があります。継承者の方が遺骨を管理する方法、寺院や霊園などに遺骨の管理を委託する方法そして散骨してしまうという方法です。継承者の方が遺骨を管理する方法は、大きく分けて2種類あります。ひとつは一般的な供養の方法です。墓所や納骨堂を借りて遺骨をそこに収蔵するというものです。現在最も多く行われている供養がこの方法です。継承者の方が遺骨を管理するけれど、お墓や納骨堂を使用しない方法もあります。それは自宅供養をする方法です。一般的には四十九日までは自宅で供養するものの、四十九日の法要や百箇日の法要、もしくは一回忌の際に納骨をするという方がほとんどです。しかし中には、そうした法要を行わないという方や法要を行っても納骨は行わないという方もいらっしゃいます。
遺骨の管理方法 ~寺院や霊園などに遺骨の管理を委託する場合~
遺骨を寺院や霊園に委託して管理してもらうことを「永代供養」と言います。永代供養の場合、寺院や霊園は前もって取り決めた方法(多くの場合は合葬墓への遺骨の収蔵)で遺骨を供養します。合葬というのは遺骨ひとつひとつを分けて管理するのではなく、そこにある遺骨を全てまとめて供養するという方法です。そのため、一旦合葬するとそこから個別の遺骨だけを取り出すことはできません。永代供養の何よりもの利点は、その後遺骨の管理を全て任せられるということです。通常の供養の場合、法要や収蔵しているお墓の管理、また最終的にそこにある遺骨をどう弔い上げするのかということを考えなければなりません。しかし、永代供養を行えばその後の供養や管理などは全て寺院や霊園が行ってくれるのです。また、継承者が管理を行わない方法のひとつとして散骨というものがあります。一般的には遺骨を破棄するのは法律に抵触します。しかし、墓地として認定された場所などで遺骨を遺骨と分からないサイズにまで砕いたうえで散布している方もいます。散骨は法律的にはグレーですが、その自治体や都道府県の条例に抵触しないのであれば行っても良いというのが現在の見解です。
遺骨を供養する場所による名称の違い
上記の供養の方法は、お墓や納骨堂などを利用して供養を行うものです。最近ではお墓の代わりに別の場所に遺骨を埋葬、散骨する方法も取られています。その中で樹木に関するものの総称を「樹木葬」と言います。樹木葬には、墓石の代わりに樹木を立ててお墓とするものと、お墓用に用意された林に散骨するというものがあります。どちらも樹木を用いて供養を行っていますが、前者の場合は継承者が遺骨を管理する方法に含まれ、後者の場合は散骨にあたります。
永代供養とはなんなのか
「永代供養」というのは遺骨の管理を委託することです。「樹木葬」というのは樹木を使って納骨、収蔵もしくは散骨を行う方法です。「永代供養」として「樹木葬」を行うこともあれば、「永代供養」のみ行うこともあります。また「永代供養」ではない「樹木葬」も存在します。大切なのは、自身がとろうとしている供養の方法がどういった供養の方法で、遺骨がそのあとどうなるのかということを確認することが大切です。最近では「自分が死んだら樹木葬にしてほしい」とおっしゃるかたもいらっしゃいます。その樹木葬が墓石を樹木に置き換えたものなのか、それとも樹木のある場所に散骨する形式なのかということをきちんと話し合っておく必要があるでしょう。