グリーフケアとは何なのか

グリーフケアという言葉があります。griefというのは何かを失うことによって受ける深い悲しみのことです。人間は環境の変化によって大きなストレスを受けます。その中でも大きなものとして死別があります。死によってその人間とはもう会えなくなります。特に生活の中で交わる部分が多かった人間との死別はとても大きな悲しみになります。グリーフケアというのはそうした悲しみに対するケアであり、葬儀や供養の役割のひとつとしてそうしたグリーフケアの役割があるのです。

葬儀の宗教的な意味、現実的な意味

宗教的な意味でも葬儀や供養というのは死者に対して行う儀式でした。しかし現実的な葬儀の役割を考えるとするならば葬儀というのは遺族のために行うものなのです。本来急激に生活状況が変わることによって起こりうる喪失感を、葬儀という大きな儀式を行うことによって軽減するのです。葬儀に多くの人が訪れ故人に近しい人間に声をかけることによって、また葬儀によって忙殺されることによって最も大きな喪失感を防ぐのです。

死者に何かをしてあげる方法は

また、法要やお墓参りなどにもグリーフケアの役割があるでしょう。死によって今まで何かをしてあげられる対象であった存在から、何もしてあげられない対象へと変化します。しかし法要やお墓参りをすることによって故人に何かをすることができるのです。何かができるということは喪失感を埋める手助けになります。その対象としてお墓や遺骨などの信仰の対象物が必要になるでしょう。

お墓がグリーフケアという役割を終えたときには

しかし、そうした信仰の対象物というのは非常に長期に渡って維持していくものでもないでしょう。その信仰の対象が家や家系というものであるのであれば、その象徴として代々のお墓は必要でしょう。しかし、亡くなった故人だけを対象とするのであれば、長くても30年ほどでその役割を終えることになるはずです。そうした際に墓じまいを行い遺骨をあらためてどうするのかということを考える必要があります。光輪霊園の永代供養には一定期間信仰の対象として遺骨を個別で収蔵したのちに、合祀の形で遺骨を埋葬するものがあります。後継者にお墓の負担をかけたくない、しかしその一方で信仰の対象も残したい、という際には永代供養という形式で供養を行うのもひとつの方法です。