永代供養とは何か

永代供養にはさまざまな意味があります。永代という言葉を辞書で引いてみると永久に近い意味がありますが、現代の永代供養というのは永久に通常のお墓で遺骨を管理してくれるというわけではありません。永代供養にはさまざまな形式のものがあります。最初から共同墓地に遺骨を収蔵し、その共同墓地で保守管理をするというもの、一定期間は通常の家族墓と同じように供養を行い一定期間経過ののちに共同墓地に遺骨を移すというものなど、それぞれの寺院や霊園、そしてそのプランによって内容の詳細が異なるのです。

今までは遺骨は最終的にどうしていたのか

もともとの供養の方法というのは、亡くなってから十三回忌や三十三回忌、五十回忌などで遺骨をお墓から取り出し永代供養墓に移すというのが一般的でした。そうした年数の根拠は信仰の内容によって異なっており、例えば三十三回忌とされている場合には、どのような人間であっても死後32年が経過すれば極楽浄土へ行けるという教えから来たものです。

家制度の変化からお墓の制度も変化していく

近年永代供養が急速に広まりつつあるのは、社会構造の変化からです。以前は家制度をもとに供養のシステムが作られていました。家などの家屋そしてお墓などの財産は家ごと長男が引き継ぎ、管理していくものとされたのです。しかし、時代が変わりゆく中で、核家族化や家に縛られず流動的に生活をすることが多くなったため、少しずつ従来のお墓のシステムでは対応が難しくなっていったのです。

無縁社会と墓への考え方の変化

2010年ごろには無縁社会という言葉が流行語のひとつになりました。従来の日本の社会システムとは異なり、特に都市部において近所でも誰が住んでいるのかわからないということが当たり前になってきたのです。その結果、独居の人口の増加や近所との交流が全くないという状況が増加していったのです。自分が死んでもだれも気付かないという状況や自分のお墓にだれも参ってくれないという状況に対して生前から永代供養を希望する人が増加していきました。また子孫に迷惑をかけたくないという思いや子孫が墓や信仰に対して興味がないという状況もそうした永代供養に対する思いを加速していった原因のひとつでしょう。