これから増加していく空き家問題、お墓問題

お墓についての問題というのはここ10年ほどで急激に取り上げられるようになった問題です。問題自体は更にそれよりも前の1990年代頃には発生していました。1990年代、日本の人口が減少傾向に入りました。その結果、拡大しているときには次々に作られていたものが余っていくという現象が発生し始めたのです。住宅は少しずつ余る傾向になっていき、日本全国でだれも管理をしていない空き家が発生し始めました。所有者が不明な住宅や誰にも管理されない空き家がどんどんと増加していったのです。空き家というのは周辺の環境に悪影響を及ぼします。例えば人が住んでいなければ倒壊の可能性があってもだれにも補修されることはありません。また、不審者の出入りや放火の危険性など、犯罪傾向が高くなる可能性があるのです。

管理する人がなくなったお墓

同様なものとしてお墓の問題があります。お墓も住宅と同様に人口が減少することによって問題が発生したのです。かつてのお墓というものは後継者によって管理されていました。そもそもお墓というのは亡くなってから利用するものであり、そのお墓を利用する本人は亡くなったあとにお墓に対して何もできないのです。その代わりに親戚や子どもなどがそのお墓を引き継いでいくのが通例でした。しかし、人口が減少していくなか、空き家の問題と同じようにそのお墓を管理する人がいないということが全国各地で頻繁に起こるようになってしまったのです。

現在では、生前からお墓を継承してくれる人がいないことが分かっている人も

生前からそうした問題に悩む場合もあります。それは両親からお墓を受け継いだもののその人には子どもがおらず、またそのお墓を継承してくれる親戚もいない、という状態です。そうした場合に墓じまいをするという方法もあります。墓じまいというのは現状あるお墓を閉じて、使用していた区画をその霊園や寺院に返すというものです。しかし、墓じまいをしたとしてもその中にある遺骨は残ってしまうことになります。

遺骨を収蔵していいのは霊園と墓地だけ

そうした遺骨の最終処分の方法のひとつが永代供養です。遺骨というのは収蔵する場合には、都道府県に許可を受けた霊園や墓地を利用する必要があります。こうした許可を受けた霊園や墓地側に遺骨の管理をしてもらうというのが永代供養というものです。しかし、永代供養というのは通常の供養の形とは異なり、永久に個別で遺骨を供養してもらうことはできません。どんな形式の永代供養であっても、最終的には遺骨を合祀することになります。合祀というのは遺骨を個別で供養するのではなく、他の遺骨と混ざる形で供養するというものです。そのため、一度合祀してしまうと特定の個人の遺骨を取り出すことはできません。しかし、お墓が空き家のように放置されることもなく、またきちんとルールに沿って遺骨を供養することができます。自身の遺骨や先祖の遺骨、このままいくと管理する人が誰もいなくなってしまうという恐れがある場合には永代供養という方法を検討してみるのはいかがでしょうか。