〇〇葬という名称のもとは

葬儀に関するさまざまなものを見ていると○○葬という形で表現されたものが多くあります。こうした名称というのは自然発生的に起こっているものであり、葬儀の形式の呼称に関してはこれといった定義づけられた形はありません。葬儀は時代によって形を変え、そして地域によっても異なる形で行われています。

日程を変更した葬儀の形式

現在の葬儀の一般的な形は、亡くなったあとに安置をして枕経をあげ、半通夜の形でお通夜を行い、葬儀と告別式を一緒に行い、そのあとで出棺、火葬と行われていくものです。しかし地域によってはお通夜のあとに火葬を行ったあとで葬儀と告別式を行う場合もあります。現在では一日葬という形式で葬儀が行われている場合もあります。一日葬とは従来二日かけて行っていた葬儀を一日で済ませてしまうという葬儀の形です。一日葬は一般的に一日目の日程であるお通夜を省略し二日目に行う葬儀、告別式そして火葬のみを行うという葬儀の形式です。朝から行い昼頃に全てが終わるようにできています。また昼から行う形式の一日葬も一部では行われています。

参列者による葬儀の形式

家族葬という言葉も葬儀を行うときに頻繁に聞く名称でしょう。家族葬は親戚などのあらかじめ決められた参列者のみで葬儀を行うという形式です。葬儀を行ううえで頭を悩ますことのひとつとして一般の参列者がどれくらいになるのかわからずその対処に困ってしまうということがあります。そうした状況を避けるために現在では最初から一般の参列者の方を断った家族葬という形式で葬儀を行うことが増えてきているのです。しかし、家族葬と言ってもその人数によって葬儀の規模は大きく変わってきます。遺族のみの10人以下で葬儀を行うのか、親戚一同を集めて30人で行うのかでは祭壇や式場の規模などが大きく変わっているのです。

儀式を行わない葬儀の形

またそもそも葬儀という儀式に重きを置かず、直葬や密葬といった形で葬儀を行う人もいます。これらの葬儀の場合、火葬をする段階での読経のほかは特に儀式は行わないという葬儀の形式です。現在ではこのような形で葬儀を行ったのちに「お別れ会」や「偲ぶ会」などの形であらためて告別式の代わりを行うこともあります。葬儀には決まった形は存在しません。葬儀に参加する人たち全員が満足のいく形で行うのが正しい葬儀の形なのです。葬儀や供養に関する呼称については公式のものはありません。永代供養や樹木葬などさまざまな名称がありますがこうした名称というのはそれぞれの事業者が各々につけた名称なのです。