そもそも霊園と墓地の違いはなに

霊園と墓地の違いを辞書で引いてみても多くの場合は、墓の集まる場所、とあります。では実際どう違うのかと言えば、檀家制度によるものかどうかという点にあります。檀家制度というものは別名寺請制度ともいい、江戸時代に幕府によって施行された宗教政策です。

寺請制度の歴史

当時南蛮貿易とともに輸入されたキリスト教はカトリックであり、その教えは人の上にたつのは唯一神だけであり、人は皆等しいというものでした。士農工商という身分制度をもとにした支配体型を作ろうとしていた幕府にとってそのような教えは邪魔なものでした。そのため幕府が行った政策が檀家制度でした。全ての国民に菩提寺への登録を義務付けました。その登録したものを宗旨人別帳と呼びました。この宗旨人別帳は、戸籍のような役割を勤め、結婚や旅行のさいに使う戸籍や住民票のような役割を果たしました。そのためこの宗旨人別帳に登録されていないことはせいかつしていくうえで不利なことになります。こうして完成した檀家制度は江戸時代に発生した墓所を確保して遺骨の埋葬を行うというシステムにも影響を与えました。墓所を確保するには、菩提寺に登録し、その寺にたいして一定の寄進を行うことが必要とされました。そのため江戸時代に発生した墓所の集まりは、特殊なものを除いて墓地とよばれました。

増加していく霊園

一度庶民に根付いたこの方式は廃仏毀釈が行なわれ仏教がその勢力を弱めた明治時代以降にも続きました。明治政府は一度仏教式の葬儀を禁止し土葬で埋葬するように法律で定めましたが、すでに定着していた方法からの変更は難しく結果として二年でその法律を撤廃しています。そしてそれからも檀家制度に似たシステムは続き、葬儀は寺が取り仕切るものだという感覚が日本人の中に定着しました。現代に生きる私たちからすると、宗教というのは葬儀のときにしか使われないものになりました。またかつての土地を仲立ちとする生活システムが崩壊したため、時代が進むにつれて檀家制度も薄れていきました。現在では菩提寺を持っている人のほうが少ないというのが現状です。そのため、お墓も墓地ではなく霊園が増えてきたのです。

越谷・春日部地域での霊園探し

わたしたち宗教法人善源寺は埼玉県東部地域にある松伏町にある寺院です。寺院ではありますが、その境内には宗旨宗派を問わず利用可能な霊園がございます。埼玉県越谷市・春日部エリアで霊園探しの際は一度ご相談ください。